denim jeans limited black / m.a+ [SHELTERⅡ 20th special products]

2018年に発表された後、生産上の都合により廃盤となっていた”m.a+”の名作デニムパンツ。

ご購入いただきましたお客様から本当に多くのご愛用の声をいただいており、なんとかこのモデルを再生産できないかとブランドと協議を進めておりました。

その月日遡ること約3年。”COVID-19″の影響もあり本当に長く時間が掛かりましたが、ようやく商品を皆様にお見せする事ができます。

当店が来年20周年を迎える事もあり、”エムエークロス”の全面協力の元なんとかメモリアルイヤーに間に合わせていただいたスペシャルジーンズ。

販売数は世界限定80本。

12月10日(日)より初回生産分をリリースいたします。

denim jeans limited black / 115,500円(税込)

着用サイズ 44 / モデル 175cm 60kg

スッキリしたシルエットと武骨なムード。渋さと色気を兼ね揃えた素晴らしい一本が出来上がりました。

以前ブランドが発表した商品はインディゴでしたが、今回はより雰囲気をダークに、そしてデイリーに履いていただけるようにブラックカラーをリクエスト。

レザージャケット、コートなど今の時期はアウターに。夏はもちろんTシャツにも合わせていただけるオールマイティーな仕上がりです。

基本となるデザインは5ポケットのスリムジーンズ。ウエストはやや広めに作られており、ヒップと太腿で合わせていただくイメージです。

膝から下は若干幅を広げ、レザーシューズのラインの流れをとても綺麗に見せてくれます。ブーツのシャフトも収まりやすく靴選びはかなり自由が利きます。

バックスタイルはヒップから膝までを綺麗にスタイルアップしてくれる立体パターン。

ジャストサイズを選ぶとそれなりの締め付けは感じますが、腰回りが広めに設定されているので良い具合にストレスを逃がしてくれます。

前後のポケットを形取るステッチは湾曲しながら1本の線で繋がれています。ブランドが昔から大切にしている一繋ぎ(Onepiece)をユニークなアイデアで表現。

履き込むことで色落ちと共にアタリも現れて、より迫力が出ることを期待します。

ブランドを象徴するレッドカラーのレザーパッチは、デニムの名札とも言えるポジションに強いアクセントを加えました。

フロントはボタンフライ。”+”刻印入りのオリジナルボタンを使用。

使用している素材はメイドインジャパンデニム。コットン100%になります。色が単調にならないように追加の色染めをし、ワンウォッシュした上での販売です。

パッケージもスペシャル。

当店の20周年にも絡めて何かスペシャルなものをリクエストしたところ、全80点すべてのバッグにデザイナーの手書きのサインを入れて頂きました。

親愛なるマウリツィオアマディ氏のパワーも宿る特別な商品。是非長く愛用いただける方々にお渡しできれば幸いでございます。

“m.a+”のファンの方、最近ブランドを知り興味をお持ちになられた方々。

そして当店を日ごろからサポートしてくださっている皆様にこのデニムをご愛用頂けますことを願っております。

 [SHELTERⅡ 20th special products]

denim jeans limited black / m.a+

Price :¥105,000 + TAX

Size:42・44・46・48・50

SHELTERⅡ 山崎

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SEAMLESS LONG SLEEVES SWEATER “PENTASIR” / CAROL CHRISTIAN POELL

“CAROL CHRISTIAN POELL”が長年作り続けているニット素材”PENTASIR”。

レザーウエア、シューズ、その他ハードな製品に比べるとプレーンで控えめな印象を受けますが、奇才が生み出す製品に「普通」」の文字あらず。ユニークなアプローチで衣服として商品化されています。

ガツンと来るインパクトはないものの、しっかり玄人をも納得させる不思議な魅力をもつセーター。

本日は少し深掘りしご紹介です。

SEAMLESS LONG SLEEVE ROUND NECK SWEATER

KM/2629-IN PENTASIR

Color : 11 (Dark green)

着用サイズ48   (モデル:178cm 56kg)

「シンプル」という言葉が当てはまる。けれどその一言で片付けるのが難しい妙なムードのクルーネックニット。

飾り気なく編み上げた使いやすいアイテムですが、写真向かって右側の突っ張りが目につきます。

左右の袖付けもそれぞれ異なるデザインのように見えるのがこの1枚の特徴の一つ。

向かって左側にはリブ編みとの切り替わりがフェイスで見え、右側はセットインのようで非対称。

これに合わせて首の開きもズレが生じ、肌の露出具合も異なります。

平置きでご覧いただくと上部の「ゆがみ」がどの程度かご確認いただけるかと思います。

脇より下は捻らずスタンダードなシルエット。あくまでポイントは首回りの一部のみです。

バックも同じ様子で非対称。要するにこのニットは首を中心に円を描きながら捻じりが加えられています。

一見プレーンなためシンプルに着こなせるのは間違いないのですが、着用時の外見的な違和感をわざと生じさせるキャロルらしい捻くれたアイデア。

着心地が少し心配になる方もいらっしゃいますが、不思議と体は何も感じず気軽にご着用いただけます。

そして核となるのはこのウールの素材感です。初めて触れるとコットンやリネンと誤解されがちなカラッとした肌触り。バージンウールとは思えない力強さはタフなボトムスやアウターに力負けせずコーディネートに取り入れていただけます。

防寒性は中程度。冬はコートの中に適任です。

細かい部分は企業秘密との事ですが、このニット生地には表面に特殊加工がなされているとの事。手で触れると糸に不思議な艶っぽさが感じられます。

背面に付けられたスナップボタンの受け側。これは表裏両方についており、画像のようにタグが取り外せるようになっています。

すなわちリバーシブルでも着ていただけるということ。

特段デザインが変わる訳ではないので、遊びの一つではありますが”CCP”がする事で何か他に理由があるのかと勘ぐってしまうのも面白いところです。

SEAMLESS LONG SLEEVES HIGH NECK SWEATER

KM/2630-IN PENTASIR

Color : 10 (Black)

着用サイズ46   (モデル:178cm 56kg)

同様にハイネックタイプも胸、肩のあたりに歪みが生じています。

首回りはそれなりに高さがあり、写真のようにクッションが付く程度。

フィットは決してタイトさの無い余裕を感じるシルエット。

背面のスナップもちょっと小話ができる程度に目につきます。

どうしても保守的になりがちな黒のニット。しかしながらこの他ならぬファブリックをもってすれば、他ブランドの製品とは大きく差別化が出来るように思います。

SEAMLESS LONG SLEEVE ROUND NECK SWEATER

KM/2629-IN PENTASIR

Color : 4 (Grey)

着用サイズ50   (モデル:176cm 70kg)

グレーカラーは編地がしっかり見えてコーディネートに刺激が入ります。

首開きが少し広めなので、インナーを軽く重ねて見せるのもお勧め。

以前イタリアの”CCP”のオフィスを訪ねた際、CEOのセルジオ氏がこのグレーのニットを着用なさっておりました。

首の詰まった白のカットソーをしっかり見せたスタイリングはとてもクールで今も忘れられません。

少し違和感がある方がファッションは面白いという事を改めて認識した瞬間でした。

それぞれカラーにも味があり、全色お持ちの方も多い名作セーター。

秋冬ファッションはどうしてもアウターで勝負に出ますが、ニットで調子を整えると楽しむ世界が大きく広がります。

ニットの謳い文句「柔らかい」「優しい」「気持ちが良い」などソフトな印象はこの商品にはありません。それでもセーターとして需要があり、求め続けられるアンチヒーロー。

オリジナルである証明です。

SHELTERⅡ  山崎

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HIKING BOOTS “19” / GUIDI

100年以上の歴史を持つ世界屈指のレザータンナー”CONCERIA GUIDIE ROSELLINI”社が、2005年よりスタートさせたオリジナルブランド”GUIDI”。

数年前までは一部の熱狂的なファッション層がユーザーの中心でしたが、最近は他ブランドとのコラボなども実施し、ジャンルレスに注目を集めています。

ブランド創業当初から作り続けている定番アイテム、一例を挙げるとバックジップブーツやクラシックダービーは根強く人気がありますが、それと合わせて当店が常にプッシュしている一足をこの記事でご紹介。すでにお持ちの方も是非お楽しみくださいませ。

HIKING BOOTS “19”

本格的な登山靴の製法を用いながら、良い意味でその武骨さを削ぎ落した”グイディ”のハイキング。

もちろん見た目にエネルギッシュなボリュームがありますが、どこかムードはシックで上品。

王道のアメリカモノには無い、洗礼された格好良さがこのブーツの魅力です。

アッパーの大部分は一枚革で形成され、背面のみ切り替えたミニマルデザイン。余分なシームが入らず全体がスッキリ映ります。

縫い合わせを僅かに抑えることで「足型の特徴」・「歩き方の癖」などに合わせて革が馴染むという機能的メリットもあり、クラシックなトレッキングブーツの堅牢な印象が良い意味で覆ります。

アンクルをカバーするクッション部は。心地よく足と密着するモチっとしたタッチで不快な摩擦を防ぎます。

フロントのタンも厚くそして柔らかく仕上げているので、足首回りは360°しっかりサポートしてくれます。

シューレースは上部2ケ所はフック型になっており、着脱もスムーズ。

締め具合の微調整もしやすく、ここをしっかり結んでいただけば、足に吸い付くようなフィット感をお楽しみいただけます。

もちろんある程度の重量はあるものの、足と革がマッチするとその重みは歩く力に変わり、歩行もかなりスムーズです。

このモデルもその他グイディのシューズと同じく「製品染め」によって染色が行われています。

樽型の巨大な装置に形の出来上がった複数のシューズを同時に入れ、液体染料とともに回しながら仕上げるユニークな染色方法「タンブラーダイ」。

これにより革の繊維が良い具合に解れ、金具などには錆や変色が現れます。

作り手が意図的に行う「ユーズド加工」はあくまで人の着用によるエイジングを模して手が加えられますが、グイディの加工はそうした意図とは違う偶発的な美学に基づき製品を作り上げています。

ソールは安心安定のヴィブラム社のものを採用。

元々ヴィブラムソール誕生のきっかけは、創業者”Vitale Bramani”氏の悲しい過去の経験にあるそうです。

会社設立以前、当時登山家であった同氏はアルプス山脈での遭難事故で友人6人を亡くしてしまいます。

その事故の原因とみなされたのが、登山に適さない靴の着用。そうした事故を二度と起こさないため、彼は登山用ソールの開発を決心し、今や世界トップソールメーカーと登り詰めたのです。

人の命を守るために作られたゴムソール。それはもちろん滑りにくく、言うまでもなく強度にも優れています。

HIKING BOOTS “19”  / GUIDI

履きこなすのアイデアは、カジュアルなデニムから、シックなブラックスタイルまでジャンルレス。

足元にボリュームを持たせたい時に軽い気持ちで合わせていただくと、大変自然な仕草でコーディネートが楽しめます。

3年・5年とじっくりと履き込んでいただきたい名作。

毎日履くようなデザインでは無いかもしれませんが、月に数回は履きたくなる心地よい距離感で、長くご愛用いただきたい1足です。

SHELTERⅡ 山崎

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“+” studded q buckle med belt – EQ2C – / m.a+

デザイナー”マウリツィオ・アマディ”氏の独創的なセンスとアイデアからなる当店の主力ブランド”m.a+”(エムエークロス)。

自身の名前の頭文字”m.a”。そして人と洋服の交わりを十字に意味付けた”+”を冠に、使えば使うほど愛着の湧く素晴らしいファッションプロダクトを常に作り続けています。

ブランドの言わば名札とも言える”+”は、ほとんど全ての製品に何らかの方法でマークされています。

洋服にはステッチもしくはシルバーで埋め込まれているケースが多く、時には縫い合わせなどのパターニングで記される事も。

ロゴマークという認識とはやや異なりますが、このブランドのアイテムを着る、使うにあたってクロス(十字)は切っても切れない存在です。

“+” studded q buckle med belt / m.a+

そんなブランドの重要なシグナルが看板アイテムに昇華したのがこちらのベルト。

元々製品として定評のある同ブランドのレザーベルトに”+”スタッズをこれでもかと飾り付けた非常にインパクトのある1本です。

“m.a+”のファンの方はもちろん、その他のブランドを中心に着られる方もこ「れだけは欲しい」とお買い求めいただくケースも多く、このキャッチーな装飾感が付けると癖になります。

今回撮影しているSサイズのもので”+”スタッズの数は計28。(シーズンで異なる場合あり。)

全てシルバー925を使用した、たいへん贅沢な逸品です。

メインは厚さ3mmのカウレザー素材品番”GR3.0″。牛の背骨の辺りの丈夫な革を使用し、耐久性にも優れています。

ブランド側はこのスタッズを”ステイプル”とも表現しており、裏を返すとその呼び名の通りステイプル留めのように仕上げられています。

実際はハンマーを使い一箇所ずつ手打ちされており、一本仕上げるだけでも大変長い作業時間が必要です。

バックルの形状は至ってシンプルですが、職人が手打ちで仕上げたクラフト感が魅力。

風合いに独特の癖を持つウエアと合わせることも想定し、はっきりと色味が確定しない中間色ともマッチします。

写真のように剣先をおろしてスタイリングのアクセントにしていただくのがこのベルトのセオリー。着用スタイルもいくつかアイデアがございますので、いくつかご紹介いたします。

写真のように一か所スリットが入っており、ベルトの剣先を通してお使いいただけます。

サイドに自然にベルトを流すことができ、スタイルのさりげないアクセントに。

剣先をフロントに下げる場合は、上の写真のように裏に一度回していただくのがベター。

これをせずに着用すると、ベルトの表裏が反転してしまいます。

新品の段階で写真のように複数の通し穴が準備されていますが、追加で穴開けが可能なため、まずはご自身のお好みの全長でサイズを選んでいただくのがお勧めです。

このベルトを1本付け足すことで、トップス・ボトムス間の丈のバランスが取り易くなるため、使い始めるとほぼ毎日つける生活必需品となりかねません。

上の写真は私が約3年使用したもの。購入して以来ほぼ毎日のように着けています。

店頭にご来店のお客様から反応をいただくことも多く、あまり”m.a+”をご存知でない方にとっても、何かと目につくアイテムのようです。

右が新品。左が3年使用の同モデルになります。

馴染みで硬さが取れてくると、より着用像が自然に。

使っていくと革に含まれる油分によって色味がはっきりと、そして光沢も良い具合に出てきます。

この商品の人気の秘訣はあくまで「ベルト」である点にあるように思います。

ウエストを閉める道具であるが故に毎日つけることに違和感がなく、その延長線上にファッション性やブランド愛などの付加価値がプラス。

少しアンバランスかと思えるトップス×ボトムスの組み合わせも、このベルトが良い仲人をしてくれて、ご自身の個性を活かしたスタイルがいくつも完成するかと思います。

このベルトが主役ではなく、このベルトが貴方のトレードマークになるように。

ぜひご自身の魅力の引き立て役として、この逸品をお選びいただけますと幸いです。

“+” studded q buckle med belt / m.a+

サイズ選びのご相談などもどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

皆様のご来店・ご利用を心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ 山崎

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SCARSTITCHED LEATHER JACKET / CAROL CHRISTIAN POELL “LM/2498 CORS-PTC”

10年以上前にこの形を完成させ、今もデザインを変えず生産が続いている”キャロルクリスチャンポエル”の最高傑作「スカーステッチドレザージャケット」。

世界中のファッショニスタ、アーティスト、ハリウッドスターなども愛用するこの1着は、”CCP”の先鋭した世界観、芸術性が強く反映されながら、現実的なスタイリングの幅広さも有しています。

将来的にライフスタイルが変わろうと、いつまでもマイクローゼットに掛けておきたい宝物。そんな洋服をお探しの方にキャロル氏が生み出した名品をこの記事でじっくりご紹介できればと思います。是非ご覧くださいませ。

SCARSTITCHED LEATHER JACKET / CAROL CHRISTIAN POELL

“LM/2498 CORS-PTC”

Color:BLACK (10)

首元にしっかりと襟のついたこちらの品番”LM/2498″。日本国内では「襟付き」という愛称も耳にすることがございます。

もう一つの定番傑作レザージャケット”HIGHNECK LEATHER JACKET”と並ぶ”CCP”の2枚看板。

何か受賞歴などがある訳ではございませんが、愛用者の方々からの「世界一」と称する声も少なくありません。

ジップの開閉は身頃中央に位置付けたシングルタイプ。

アームホ-ルは袖筒を前面に出し、人体構造に合わせてパターニングされています。

肩から袖先にかけてカーブする人影のような輪郭線。エルボーにはスムーズな腕の曲げ伸ばしが出来るよう、立体的な切り替えをデザイン。

袖付けはフロントがセットインなのに対し、背はバックラグランという複合的なスタイル。

最もテンションの掛かる肩から背中、肩甲骨周りの可動域をなるべく広げ、レザーの伸びや馴染みが着用者の身体に沿って現れる合理的な設計となっています。

「革に新たな命を吹き込む」というポリシーのもと生み出される”CCP”のレザー製品は、人の体が中に入り躍動するその瞬間が到達点なのです。

前開きにはプラスデザインで4つのフックが取り付けられています。

非常に小さいながらも目に付くアクセントは、馴染む前の革を育てる段階でも非常に有効。時にはジップを閉めずにフックだけで着用頂くことも可能です。

ファスナーは上下それぞれにスライダーのついたダブルジップ。シルエットの調整、スタイリングのアレンジも様々。

袖先のデザインにも、フロント同様のフックを採用。

このアイテムはウエアとしての縫製等を全て済ませた後から染色を行う「製品染め」というプロセスを取っているため、金具にはくすみや錆が現れます。

この「製品染め」によって最も影響を受けるのはもちろんレザー。革を染料に漬け込み不均一な伸縮・硬化を起こすことで佇まいに奥行きが生まれます。

染色後の乾燥のプロセスはシルエットの再形成、袖のシワ入れなども同時に行われるため、パターニングだけでは表現しきれない感覚的な仕上げを実現。

この意図的な経過により、革の持つ奥深い表情に金属が自然に溶け込み唯一無二の革製品が完成を迎えるのです。

両サイドのポケットは内側にマチを設けたL字型。ジップが前傾するかのように取り付けられ、手を入れ易いのみならず、脇から裾にかけてのラインを立体的に見せています。

内側は両胸にジップポケットが付いており、ライナーはパンチングが施されたコットン素材。

アームにもこの裏地が使われており、袖通しは滑らか且つハリがあって丈夫な印象です。

SCARSTITCHED LEATHER JACKET

モデル 175cm 60kg

着用サイズ44

ここからは実際の着用画像もご覧いただければと思います。

こちらのスタイルは”CCP”の定番ニットセーターとコーディネート。

アーム周り、身幅にやや余裕を設けたシルエットになるため、秋冬は厚手のインナーを着込みやすいのもこのモデルの長所です。

今回この記事でご覧頂いているモデルは、ブランド内で最も定番的なホースレザー、素材品番”CORS”を使用しています。

野性的な力強さときめ細かで美しい表情を併せ持つこちらの馬革は、程よい厚みと弾力があり油分も多く含んで丈夫。クリームなどのケアを日常的に行う必要もございません。

大変扱いやすく、いつまでも美しいとても優秀なマテリアルです。

実際に袖を通すと、腕とレザーの間に生まれたスペースにも気分高まるシワが生まれます。

バックスタイルは両端に反り上りをつけ、パンツとトップス、インナーとの調和が意識されています。

重厚な革だからこそなるべく角は作らずスムーズに。

細部まで観察するとこうしたトリック、デザインの引き算が肝となっているのです。

細かい部分にまで感覚を及ばせて生み出される”キャロルクリスチャンポエル”の作品の数々。

中でも革製品は染色工程で数か月の日数を費やすため、1年で生産される数もごく僅かに限られます。

スマホで検索すれば画像はいくらでも手に入りますが、この一着を手に取り、空間を供に瞬間は大変貴重で特別。

私がいくらここで熱く語ろうと、実際にこのレザーに袖を通す体験には全くもって歯が立ちません。

着ると感動できる服。「身に纏う芸術作品」と言えば少し大げさですが、それほどに感性揺さぶる本物の逸品です。

SHELTERⅡ 山崎

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BORIS BIDJAN SABERI “P11”

“P11” PANTS / BORIS BIDJAN SABERI

素材: F1939  (COTTON 98% LYCRA 2%)

複雑なパターニングに重きは置かず、ミニマル思考でシルエットの美しさを突き詰めたスリムパンツ”P11″。

ボリスのコレクションの花形アイテムの影で根強い人気を誇る名品です。

代表作”P13″を手に入れたあとは、この”P11″をチョイスするのが王道パターン。この記事で少し細かくご覧頂ければと思います。

P11 PANTS / BORIS BIDJAN SABERI

バランスの取れた股上と、すっきりしたシルエットが魅力の定番モデル”P11″。

ブランド内で最も人気の高いコットン×ポリウレタンの素材を使用し、履きやすさにも定評のある1本です。

複雑なカッティングをあえて多くは設けていないこちらのモデル。サイドポケットは縦型ですっきりと備え付けられています。

ブランドのボトムス群の中では綺麗所に属されるデザイン。

生地には高熱処理されたビニールとニッケルのコーティングが加わり、物足りなさは感じさせません。

前開きはボタンフライの仕様。ウエストは2つのボタンとドローコードで調節が可能です。

裏側の縫い合わせが丁寧にパイピングで仕上げられ、耐久性にも優れています。

股上を下げることで生じる可動域の制限を解消するため、股下には別生地でスペースが設けられています。

緻密な計算によるこのポジションのパターンは、”P11″の美シルエットを構築する上でのコア。たるみを抑え綺麗に落ちるヒップのボリュームがポイントです。

もう一つ綺麗なシルエットを引き立てているポイントが左右の太腿辺りまで深く入れられたカット。

腰回りからのボリュームを軌道修正し、足首までをスッキリと見せてくれます。

バックスタイルもポケットは内入れにしスッキリ。

外付けのカジュアルなポケットスタイルと違い、ジャケットやシャツなどとの組み合わせも想定できるクリーンな仕上がりにも注目です。

ウエスト部分は別生地で切り替えず、また背面の生地を少し上に広く設けることで履いた時のホールド感がとても心地よいです。

P11 PANTS / BORIS BIDJAN SABERI

モデル 175cm 60kg

着用サイズXS

実際に着用すると生地のストレッチによりストレスはほぼ皆無。溜めた裾にはパワフルなシワも加わり、ワイルドなブーツなどとも上手くバランスを取り持ってくれます。

長く愛用できるスリムパンツをお探しであれば、間違いなく”P11″がマストバイ。是非ご検討くださいませ。

ご質問などもございましたら、どうぞお気軽にお問い合わいただけますと幸いです。

皆様のご来店、ご利用を心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ 山崎

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tower RUCK / cornelian taurus by daisuke iwanaga

tower RUCK  / cornelian taurus by daisuke iwanaga

2015年春夏コレクションにて発表された”コーネリアンタウラス”の名作「タワーリュック」。

誰もが目にしたことのあるリュックサックの典型でありながら、どうも他とは違って風貌が良く、使い心地にも定評がございます。

今も根強い人気を誇るメイドインジャパンの逸品。本日は改めて魅力を細部までご覧くださいませ。

このバッグが初めてリリースされた2015年春夏コレクションのシーズンテーマは「塔と城壁 “TOWER and WALL”」。

イタリアトスカーナ地方に位置する町、”サン・ジミニャーノ”からインスピレーションを得てこの作品は製作されています。

中世の面影を色濃く残したその町は城壁に囲まれており、13世紀ごろに建てられた14の塔が今も現存する世界文化遺産。

歴史的な重みを感じる圧巻の街並みは、写真で見ただけでも思わず息を呑んでしまいます。

まず目に入るのが正面のポケット。塔の立派な門構えのごとく、少し大きく主張的にデザインされています。

ファスナーは左右両側から開閉でき、レザーの持ち手も引きやすい長さに設定。

シチュエーションや利き手に関わらずスムーズに使用できるだけでなく、デザインが左右対称になることも意識されています。

スマートフォンが縦に入る高さに加えてマチも4cmあり、両手を入れても余りが出るほど充分なスペースが設けられています。

余裕を持って中身が入れられるとシルエット膨らまず、立ち振る舞いも非常にスマート。重要なポイントです。

左右正面どこから見ても美しいのはデザイナー岩永氏の拘りの一つ。多方面から眺められるタワーのように、四方八方隙の無いデザインで作られています。

両サイドの外に向けて反りあがったポケットは、カバンを背負う側から手が入りやすいように設置。外部からはセキュリティー的に手が入れにくくなっています。

曲線的な口のカットは革に馴染みが出た際に、全体像が自然な見た目になることを想定。

深さは17cmほど設けており500mlのペットボトルも収納可能。ハンカチなども奥までグッと入れ込める印象です。

メインの収納は左右にジップを大きく開き、ゆったりとお使いいただけます。

コットンの裏地が張られた内装はジップポケットと、ノートPCなども入れられるボタンベルト付きのスロット。

背面にはクッションが入り、硬い機械類などを収納した際の背中への負担を大きく軽減してくれます。

身体へのタッチが優しく、背負い心地は病みつきもの。身体になるべく近づけてお持ちいただくと、荷物の重みが感じにくくなります。

ベルトの長さは段階的に調節が可能。取り付けも耐久性を意識して工夫が施されています。

トップにはアイコンの編み込まれたハンドル。

刀の持ち手の部分をモチーフにしたこのオリジナルパーツは、握ると少し軋みがありグッと力が入ります。

tower RUCK  / cornelian taurus by daisuke iwanaga

使用している素材「カウミネラルオイル」は、油分を多く含み、外見からも感じ取れるモチっとした質感が魅力の牛革。

80年以上の歴史を持つ世界的にも評価の高い「栃木レザー株式会社」がタンニングを担当し、長くブランドの看板素材として多くの作品に採用されています。

写真の状態から革が徐々に馴染んでくると、各々角が良い具合に取れてより革物としての躍動感が出てきます。

それでいてクリーンさが損なわれないのがこのバッグのセールスポイント。

表面のシボも深まることで光沢が加わり、あくまで上品なバックとして長くご愛用をいただけます。

tower RUCK  / cornelian taurus by daisuke iwanaga

SHELTERⅡ 山崎

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“taichimurakami” 3 layer nylon.

年々ファッションアイテムとしてのアピールが増えているナイロン製品。

開発技術の進化、ファッション層をターゲットにしたアウトドア業界の取り組みなど理由は様々ですが、

[ナイロンウエア=道具]と断定する考え方はもう社会には残っていないのかと思います。

私自身もランニングや登山が趣味でウエアもよく見ますが、機能・デザインともに優れたものばかりで格好悪いものを見つけるほうが難しいスポーツギアの戦国時代。

そんな選択肢が無数にある中、当店には「こんな製品は他にありません」と自信をもってお伝えできる手の込んだナイロンウエアがございます。

本日は”taichimurakami”の”3 layer nylon”シリーズをご紹介させてください。

若くしてブランドを立ち上げ、当店とも長いお付き合いになっているメイドインジャパンブランド”taichimurakami”。

まだ30代の村上氏ですが、服に関して造詣は底知らず。

服作りに狂った程のこだわりを持つ彼の作品は、当然スタイリングを並外れた玄人に仕立て上げてくれますが、

もの一つを作る上でのテーマやプロセスにも天才的なアイデアが織り込まれていて服好きの心に刺さります。

今記事の主役となる「3レイヤーナイロン」も制作にかなりの手間をかけたオリジナルファブリックです。

いわゆる3レイヤーというのが3層構造のナイロン素材。

メンブレンと呼ばれる非常に薄く柔らかい膜のような素材がベースとなっています。

水は通さず水蒸気ならギリギリ通す目に見えないほど小さい穴が無数に開いており、ウエアにすると体は濡らさず蒸れは逃がすという画期的なファブリック。

しかしこのメンブレンだけで洋服などに用いるには少し柔らかすぎるため、両面を別の生地で挟み込みます。

これが3レイヤーと呼ばれる所以。表側は防水などのポテンシャルを引き上げ、内側は肌当たりなどに配慮。防水と透湿が両立しアウトドア製品などでも最上位とされる高品質素材となっているのです。

その特性の裏をうまく突いたのが”taichimurakami”のオリジナル3レイヤーナイロン。

なんと表面の防水機能を一度剥がし、中心生地に後染を施すというアプローチ。染色後は再び3層の状態に戻します。この工程には非常に高い技術とリスクが伴い、もちろん追加コストも生じます。

この手間を惜しまず多くのリスクをクリアすることで通常のナイロンでは成しえないランダムな色ムラが生まれ、洋服の風合いとしてデザインに浸透。

均一でないという点は量産の既製品で考えるとエラーと判断されてしまいますが、ファッションとして見ると革物やデニムと同じく味として楽しむことができるのです。

mountain parka origami sleeve

ここからは実際に商品を見ていきましょう。

こちらはナイロンウェアの王道「マウンテンパーカ」。ブランド初期から作り続けているタイチを代表するアイテムの一つです。

当初からリブにヘヴィージャージを用いたり、すべての金具にシルバー925を使用したりとファッション的アプローチも目立っておりましたが、”3 layer nylon”の誕生でデザイン性もさらに向上し、なおかつ機能面も進化いたしました。

形は一見すると基本に忠実ですが、実際の構造を見てみると非常に奇抜で入り組んだパターンで製作されています。

村上氏が編み出したいくつかの独自製法。その中でも代表的な”(UN)INTERCEPTION”は縫製の手順やパーツ取りにも手間をかけ、着心地の最適化と服作りの芸術性を突き詰めたオリジナルテクニック。

量産的な考えが一切感じられない設計により、この一着はその他多くの同類項から距離を取ります。

high neck coat origami sleeve

こちらはジップタイプのハイネックコート。

ロング丈の醍醐味と言える裾までの流れがナイロンでうまく現れており、デザイン性の強いアイテムとの組み合わせも難なくこなします。

この生地は防水透湿だけでなく、風や汚れの付着も最小限に抑えるため、様々な季節や環境で着用が可能です。

半袖から厚手のニットまで合わせられる着回しの良さもこのアイテムの魅力と言えるでしょう。

work blazer origami sleeve

こちらはブランド定番のジャケット”work blazer”。

ウールなどで作るとクラシックに仕上がる人気のブレザーですが、”3 layer nylon”で仕立てたモデルも非常に人気があります。

後染めによるムラと硬さの少し取れた風合いで天然繊維さながらの自然体を表現。

恐らく真っ新なナイロンを使用すると、ハイテク×洋服のいかにも今っぽい雰囲気に仕上がるかと思いますが、こちらのジャケットはもはや渋さすら感じさせてくれます。

綿や麻など日々変化の出る素材との相性も素晴らしく、その部分では一般的なナイロンと圧倒的な差が開きます。

裏の縫い合わせ部分にはシームテープをつけた防水仕様。

もちろんのこと軽量で、雨にも強いとなるとかなり心強く感じるのではないでしょうか。

この1着を手に入れるとお持ちのいくつかのジャケットの立場を奪ってしまうかもしれません。

mountain parka origami sleeve

こうしたアウトドアミックスもひと昔前は上級者のテクニックでしたが、今は完全に市民権を得ているかと思います。

異素材との組み合わせや外しテクで生まれる違和感などが、一般的にも個性として認められるようになった昨今。

要はなんでもありな世の中ではありますが。ロゴの入った大手アウトドアブランドのウエアに、クタクタに仕上がったリネン素材のシャツや、履き込んで色も大きく変化したヘヴィーコットンのパンツなどを無理に組み合わせる必要はないかと思います。

そこに目をつけて開発されたのがタイチムラカミの”3 layor nylon”。

妥協を一切許さない服オタクに向けた唯一無二のナイロンウエアと言ってしまって問題ないでしょう。

必要なものだけあれば生きていける。今のコロナ禍によって多くの意味不明な礼儀やマナーは淘汰され、服選びにおいても非常にミニマルな消費が実現するようになりました。

便利なもの、使いやすいものが簡単に手に入り、それを利用することに周りの目を気にする必要は特にありません。

そんな現代において「娯楽」とはいったい何なのか、モノにこだわる理由について改めて考えた方も多いのではないでしょうか。

人の手だけでは絶対に作れないハイテクものに歩み寄り、あえて人の手で細工する。

“taichimurakami”の取り組みには非常に現代的な職人観を感じます。

昔から変わらない老舗の職人技術はもちろん最高で、時代の流れが加速するほどその価値は高まりますが、その流れをうまく読み、自己表現を続ける若手デザイナーの存在も服好きの私たちは無視することはできません。

両者の価値を理解し、自分に合わせて選ぶ楽しさこそ、我々現代人に与えられた贅沢なのではないかと私は考えています。

昔ながらの頑固な職人像と、今を生きる現代的な人物像が交差する唯一無二のファッションブランド”taichimurakami”。

非常に贅沢で刺激的な作品ばかりが当店にも並んでいます。

是非ご興味お持ちいただければ幸いです。

SHELTERⅡ 山崎

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HIGH NECK LEATHER JACKET / CAROL CHRISTIAN POELL “LM/2599 CORS-PTC”

10年以上前にこの形を完成させ、今もデザインを変えず生産が続いているキャロルクリスチャンポエルの最高傑作「ハイネックレザージャケット」。

古くからのファンも納得させ続け、なおかつ新たなファンも増やし続ける名作の「価値の持続」は、ファッションが商業的に過激な進化を求めることに疑念を抱くキャロル氏が出した結果の一つと言えるでしょう。

ブランド側のコマーシャル活動は一切なく、世界でも限られた販売店とファンの熱狂のみで名を馳せた究極の1着。

こうした名品を取り扱えることに私自身も感謝しながら、店頭に現品がある間に情報を残せたらと思います。

HIGH NECK LEATHER JACKET

LM/2599 CORS-PTC

COLOR : BLACK (10)

首をぐるりと囲うように角度を付けて作られたネックデザインを起点に、このジャケットは組み立てられています。

前側にやや重心をかけたアームの取り付けや、肩甲骨から脇下付近のタイトなライン。その他細かいディティールも体の動きを意識した構造となっています。

着用時、特に革が身体に馴染んだ頃合いには、布帛製品では表現が難しいはっきりとした曲線美が各所に現れ、所有者にとって他に替え難い逸品に。

そうした狙いがあるが故に、最初は革もハードで体を締めるような圧を感じますが、世界最高峰と言われる作品が徐々に自分に懐いてくる喜びは、なんとも貴重で刺激的です。

正面のダブルジップは斜めに走ります。

角度を極端につけていないため、流れは変形的にはならずナチュラル。

明らかに普通では無いものの、ある種シンプルとも捉えられる折衷的なデザインが、世代やジャンルを超えて多くの人の興味を惹く理由の一つです。

両サイドのポケットもデザインに工夫があり、ジャケット全体の印象付けにうまく作用しています。

開き口に余白を付けてジップを立体的に見せるだけでなく、スライダーをボタンで止められるオプションで独自性を表現。

機能的に超優秀と言える仕掛けではないものの、見る人の注目を集め、興味をもたせる演出は”CCP”のものづくりには欠かせません。

同様のシステムは袖のジップにも採用されています。

こちらは長い袖をカフスボタンのように手首で止める役割も果たします。

後ろ身頃は一枚革で形成され、体の動きや背中の丸みに合わせて遮りの無い自然なフィット感が生まれます。

レザージャケットを体に合わせて変化させていく過程において、こうした幹の部分の革馴染みが着用者にとっては非常に重要です。

肩の部分の切り替えしも特徴的。ショルダーラインが突っ張らずなだらかに流れます。

肘の部分はシームを無くし、動かしやすさにも配慮されています。

このアイデアには動きが大きい部分だけに極端な革馴染みが出ることを防ぐ狙いもありそうです。

内側は両胸にジップポケットが付いており、ライナーはパンチングが施されたコットン素材。

アームにもこの裏地が使われており、袖通しは滑らか且つハリがあって丈夫な印象です。

HIGH NECK LEATHER JACKET

モデル 175cm 60kg

着用サイズ44

ここからは実際の着用画像もご覧いただければと思います。

正面からみると肘のあたりを頂点とした弧を描くスリーブラインがとても綺麗です。

アームの顕著なシワは新品の状態で、すでにブランド側がある程度形成し、納品時にはまるで人間の体のようにしっかり紙が詰められた状態で店頭に到着します。

前に溜まりを作り後ろ側にゆとりを儲けることで、シルエットを崩さずに迫力のあるシワが楽しめるのです。

バックスタイルは、脇下あたりからグッと引き締めたラインが意識されています。

着初めはこの辺りの革の硬さが手強く感じられますが、肩甲骨あたりが馴染み始めると腕、肩、胸から腹部のあたりなど、全体的に余裕が生まれ着心地も格段に良くなります。

そして最後は私が約3年着用したものと、新品を見比べていただければと思います。

どちらも使用しているのは同じホースレザー”CORS”。

左がサイズ46の私物で、右が新品の42サイズです。

腹部に現れているハードなシワは、屈んだり座ったりする際の前傾姿勢で自然と深まったように思います。

自身の体感ではこの部分もかなり柔軟になっている印象です。

そして個人的に一番の変化を感じるのが背面脇下の馴染みです。視覚的に見て分かるものではありませんが、ここの動きがスムーズになると自然とフロントジップも締めやすくなります。

最初はインナーがTシャツでも動きにかなり制限があったものが、今ではニットを挟んでも無理なく着用できるところまで身体に馴染んできました。

写真の手前が新品で奥が3年着用したものになります。

実のところ3年間でクリームなどを添付したのは1.2回のみ。十分にしっとりとした風合いが保たれており、まだまだ安心して長く愛用できそうです。

“CCP”の代表的な馬革”CORS”はずっしりとした迫力がありながらも、着込んでいくと全体にきめ細かな皺が現れ上品にも映ります。

次第と高まってくる光沢。立体感も増し、光の当たり方にも違いが出てくる頃合いの姿はなんとも格別。

新品の状態でも相当パワフルですが、自分の手が加わることでさらに力強さを見せてくれる頼もしさ。それを実感できた時、この1着を選んでよかったと心からお喜びいただけるかと思っております。

私もこのレザーに袖を通すと、やはり気合が入ります。

購入を決める際の一大決心。革が馴染むまでの悪戦苦闘。色々な思い出がこの1着と共にありますが、私としてはこのレザーを着て”CCP”のオフィスを訪れた際に、ブランドメンバーから大歓迎を受けた事が、死んでも忘れられないほど刺激的に心に残っています。

これはあくまで私の経験談に過ぎませんが、、”CCP”の作品が誰かを喜ばせるために作られていることを実感した瞬間。

とても情熱的で愛のあるスペシャリスト達によってこの一着が生み出されている事実に私は本当に感銘を受けました。

“CCP”の製品を最高の状態に仕上げるのは果たして誰なのか。

その答えを誰よりも理解しているからこそ、デザイナー「キャロルクリスチャンポエル」氏は表舞台に姿を現さないのかもしれません。

SHELTERⅡ 山崎

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CAROL CHRISTIAN POELL / GOODYEAR DERBYS “AM/2600L LUC-PTC”

GOODYEAR DERBYS / CAROL CHRISTIAN POELL

10年以上大きなデザインチェンジ無く、C.C.P.が作り続けている定番ダービーシューズ。

現在ブランドが製作しているシューズ類の中で最も古いモデルでありながら、今もなお訴求力の高い不朽の名作です。

形としては典型的な外羽根式の革靴。

外見的にインパクトの強い作品も多い同ブランドのコレクションの中では比較的落ち着きを感じますが、

完成に至るまでの製造工程には常識から大きく外れた独創的なアイデアが存分に盛り込まれています。

やや長めにノーズが設定され、先端をシャープに仕上げた美しいフォルムからはドレッシーな雰囲気すら漂いますが、染色は商品を形にしてから染め上げる「製品染め」によって行われています。

今回ご紹介しているモデルに使用しているレザーは馬の臀部からのみ採取される”コードヴァン”。

この名を聞くと鏡のように磨き上げた高級紳士靴を思い浮かべる方も多いかと思いますが、あえて負荷のかかる染色方法で仕上げることで、そのイメージとは逆を行く独特の躍動感が靴に加わります。

「革に新たな命を吹き込む」そうした思いでキャロル氏は若いころから革と向き合い、数えきれないほどの実験と検証を繰り返してきました。

C.C.P.のレザーアイテムの評価が突出して高い理由には、こうした信念があることに違いありません。

トゥの反り上がりと甲部分のシワは1点ずつ手作業でブランドが理想とする形に仕上げられています。

完璧主義であるがゆえに自らシワ入れを行うという先を見据えたアプローチ。

こうすることで着用者は理想の形を安心して楽しむことができるのです。

ソールはグッドイヤーウェルト製法でタフにお使いいただけます。もちろん裏貼り、ヒール交換も可能です。

ソールの裏を覗くとシャンクの飛び出した斬新なデザインが現れます。金具は製品染めによって錆が付き、非常に物々しい雰囲気ですが、着用時にあまり目に触れる部分では無く、スタイリングには大きな影響は出てきません。

このデザインが最も影響を与えるのは着用者のモチベーションでは無いかと私は思っています。

履く人の気分を高める粋な演出。このブランドの大きな魅力の一つでは無いでしょうか。

履き心地に関してもお問い合わせを頂くことが多いのですが、店頭でご試着を頂くお客様のご感想は「想像していた何倍も歩きやすい」とのお声が多い印象です。

写真などで見るとどうしてもその堅牢な出で立ちが最初は硬さをイメージさせるようですが、ライニングにはソフトなカーフレザーを使用し履き心地にも最大限配慮。

しっかりクッションのあるオリジナルのインソールも付属いたします。

GOODYEAR DERBYS / CAROL CHRISTIAN POELL

C.C.Pがコレクションの発表をストップさせる以前にすでに完成し、今もなお生産を続けているシューズは、このダービーとダイアゴナルジップブーツのみとなります。

多くの製品が廃盤となり、ラインナップが限定的になっている中で、なぜこのシューズは今もなお作り続けられるのか。

はっきりとした理由は我々にも分かりませんが、このシューズがブランド内でも相当の自信作であることは間違いありません。

天才が生み出した渾身の1足。是非皆様のシューズコレクションに迎え入れてみてはいかがでしょうか。

SHELTERⅡ 山崎

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