PORTER CLASSIC “SUPER NYLON”

2021春夏より当店で取り扱いをスタートさせたブランド”PORTER CLASSIC”。

商品ラインナップはウエアが大半を占めるブランドですが、”SUPER NYLON”というオリジナル素材を用いたバッグコレクションも絶大な支持を得ています。

”PC”が生み出したのは世界でも類を見ない、色落ちするナイロンバッグ。名作と呼ぶにふさわしい商品の誕生には、ドキュメンタリー映画が1本撮れそうな深いストーリーがございます。

デザイナーの吉田克幸氏は日本が世界に誇るカバンメーカー”吉田カバン”の創業者、吉田吉蔵氏の三男。

ブランドのルーツはバッグにありということで、本日は”SUPER NYLON”シリーズのアイテムをご覧くださいませ。

“SUPER NYLON”はナイロンからデニムのような色落ちを味わいたいという挑戦的な発想から生まれた、ブランドを代表するファブリックです。

20代の頃、ドイツ・パリ・ロンドン・ニューヨークと留学をし、多くのカルチャーに影響を受けたデザイナーの克幸氏。

特に海外古着の自然な色落ちや経年変化、リメイクのテクニックなどに感銘を受けたことが、彼の物作りのルーツとなっています。

そうした感性と、他にないものを作りたいというプライドから”SUPER NYLON”の研究がスタート。

アイデアまではよかったものの、完成までには非常に長い年月と苦労があったと語られています。

そもそも世界的にもほぼ前例の無いナイロン素材の染色は、最初から苦難の連続でした。

既に着色されたナイロンには色がうまく入らず、何度実験を繰り返してもデニムのような綺麗な色落ちが現れてくれません。

考え抜いた末に生地をホワイトで製作し、そこから染色するというアイデアで研究は進行。

商品を形にしてから染め上げる製品染めという方法にたどり着きます。

染色によるの生地の縮みや、パーツ位置のズレなどを計算したパターニングや縫製も困難を極めます。

使用によって生地に馴染みが表れる革製品であれば、多少の誤差も魅力と出来たかもしれません。しかし選んだ相手はナイロン。使用後に形状が変化するものではないため、染色前の緻密な計算と職人さんの高度な技術が不可欠でした。

このように職人さんとデザイナーが二人三脚で商品を作り上げるスタイルは、父から受け継いだ吉田家こだわりの流儀。

依頼先の職人さんの知恵を借り、助言も頂きながら制作を進めることで、当初の理想を超えた完成品を目指します。

日本が世界に誇る吉田カバンの血が流れる商品に、一切の妥協が許されないのです。

ブランド側の理想と実際に作業をする熟練職人さんの根気が実を結び、2012年ついに”SUPER NYLON”の商品が完成となりました。

求めていたのは一般的なナイロンでは現れない、この不均一な色のムラ。ここから使い込むことでデニムのように色が落ち、さらに個性的でオンリーワンな姿を見せてくれます。

言うまでもなく製品は軽く、持ちやすくて便利。摩擦にも強いナイロンを使用し、耐久性にも自信ありです。

ここからは当店にございます実際の商品をご覧くださいませ。

SUPER NYLON HELMET CASE L  46,750円(税込) color:BLACK

1950年代、朝鮮戦争時に誕生したヘルメットバッグは元々、米兵がヘルメットを持ち歩くために作られたミリタリーアイテム。

吉田カバン(PORTER)からは1983年よりスタートしたシリーズ”タンカー”よりヘルメットバッグが発売されました。

当時は軍物の機能性や雰囲気を日常品に応用するという発想も新鮮で、感度の高いファッション層から徐々にその人気は浸透。

今ではビジネスバッグとしてのポジションも獲得し、[ヘルメットバッグ=PORTER]という公式が日本では成り立っているように思います。

そうした本家の代表的なアイテムを”PC”からは”SUPER NYLON”でリリース。

どうしてもスポーティーに偏ってしまうナイロンバッグの印象を、染色によって覆した大人で奥深い雰囲気が魅力です。

こちらは商品を裏返した内側の写真になります。前後両面に収納いがついており、細かいものをそれぞれ小分けいただけます。

入れる荷物の形や重さによって形状が変化する、ラウンド型の底面も非常に合理的。

デイリーに使うバッグは、こうした機能の充実が欠かせません。

A3サイズの書類やノートPCなども入れて頂けるグッドサイズ。(W47cm × H46cm)

マチ幅が定まっていないため、例えば一眼レフのカメラなど嵩張りやすい荷物を入れるのにも適しています。

SUPER NYLON HELMET CASE S  36,300円(税込) color:BLACK

こちらは一回り小さいサイズのヘルメットケース。

近年で大衆バッグの小型化がどんどん進み、ミニバッグより一回り大きいこちらのようなサイズのカバンが見つかりにくいとよく聞きます。

A4サイズの書類も入れられるサイズ感。タブレットなども収納可能です。(W33cm × H32cm)

先述の大型のものと同様に内側の収納も両面完備。

スマートフォンやお財布など、出し入れの多いものはこの内ポケットにいれていただくのもお勧めです。

HELMET CASE XS  35,750円(税込) color:OLIVE

こちらはさらに小型のXSサイズ。オリーブも“SUPER NYLON”シリーズの人気カラーです。

より現代的なコンパクトサイズのこちらは、長財布を入れても少し余裕が残る収納力。単行本や500mlのペットボトルも入れていただけます。(27cm × 27cm)

こちらのバッグにも先述の2型同様の内収納がございます。

さらにこのモデルのみ背面にもボタン付きポケットを配置。ハンカチなどサッと出したいものを入れるのにお勧めです。

SUPER NYLON TOTE BAG  49,500円(税込) color:BLACK

こちらもお勧めのトートバッグタイプ。大容量かつ超軽量で幅広くご活用いただけます。

製品染の色むらと、タテ横に走るベルトがなんともマッチしていて好印象。渋さ感じる大人のトートバッグとでも言いましょうか。合わせて革靴を履きたくなります。

もちろん内側にもしっかりと両面収納。

サイドには上部マチ幅を調節できるベルトも配置。細部まで気の利いた作り込みは感動的です。

SUPER NYLON WALLET POUCH  24,200円(税込) color:BLACK

SUPER NYLON WALLET POUCH  24,200円(税込)  color:OLIVE

最後はアクセサリーとしても楽しいウォレットポーチ。

カテゴリーとしては財布になりますが、その枠をはみ出た収納力を誇ります。

内側にはカードケースやジップポケットも用意され、まさに財布としてお使いいただけます。中央のスペースにはスマホなどを入れていただくことも可能なサイズです。(W20cm H10.5cm D2cm)

外側のポケットも広く、写真のようにスマホを入れられます。(写真はiphone XS)

ベルトも取り外しが可能ですので、インバッグとしての活用もおすすめです。

以上現在当店でご用意している商品をご紹介させていただきました。

“SUPER NYLON”シリーズのバッグは発売以降いまも作業の簡略化はせず、1点1点職人さんの手によって丁寧に仕上げられています。

ブランドの合言葉は「一針入魂」。

これも父の吉蔵氏が残したもの作りに対する言葉で、生産数がいくつであろうと目の前の1点を全力で仕上げなさいという教訓です。

大量生産こそ出来ませんが、人情味があっていつまでも使っていたい”SUPER NYLON”のバッグ。ご興味お持ちいただけると幸いです。

SHELTER2 山崎

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GUIDI / CLASSIC DERBY 992

グイディの代表作の一つ、クラシックダービー”992″。

定番であるがゆえに当店でも定期的にご紹介してる商品になりますが、最近ブランドを知られてのご来店やお問い合わせのお客様も増えてきておりますので、改めてご紹介させていただければと思います。

すでにご愛用中の方にもその魅力を再認識いただければ幸いです。

CLASSIC DERBY “992” / GUIDI

100年以上の歴史を持つ世界屈指のレザータンナー”CONCERIA GUIDIE ROSELLINI”社が、2005年よりスタートさせたオリジナルブランド”GUIDI”。

世界トップブランドや著名デザイナーからも絶大な支持を得ている革鞣しの老舗が、シューズ、バッグ、一部ウエアも展開しイタリアから世界へその魅力を発信し続けています。

レザーの楽しみ方を深く理解したプロフェッショナル達が手掛ける商品は、他を探しても味わえない唯一無二のエイジングが体験できるこから、本物志向のファッション層やセレブ達から熱烈な評価を獲得。

非常に満足度の高いブランドです。

”GUIDI”の製品は主にシンプルなデザインのものが多く、スタイルを選ばずに合わせられて非常に優秀。

飽きがこない故にいつまでも愛用でき、使った分だけ自身の身体に馴染みます。

今回ご紹介する外羽根式の短靴も、非常にシンプルでトラディショナル。革靴の基本的な形と言えるでしょう。

王道デザインだからこそ拘りたい。そんな気持ちを納得させるストーリーが、このシューズには込められています。

こちらのシューズに使用しているのはホースレザー(馬革)。

ブランドが手掛けている数ある品種の中でも最もバランスが取れていて非常に人気の素材です。

正確には”HORSE FULL GRAIN”という名がつけられており、FULL GRAIN (フルグレイン)とは銀面 (革の表面の部分) をあまり手を加えずそのまま使用していることを表します。

動物が持ち合わせていた自然な皮膚の美しさと、ナチュラルな経年変化が得られるこの部位はとても希少。1頭あたりから取れる量も僅かだそうです。

採取された素材は草や木などの天然植物から抽出したタンニン (渋) を使って丁寧に鞣され、製品に使える生地が完成。

この鞣しの技法は革の聖地として知られるイタリア・トスカーナ地方の伝統的な技法ベジタブルタンニング。その歴史は800年以上と言われています。

手間や工程が増えてしまい作業には時間を有しますが、革本来の強度や自然な表情を最大限に引き出せるのがベジタブルタンニングの魅力。化学薬品を使用しないことから、近年では環境保全の観点からも注目を集めています。

非常に質の良い革を用いて作られたシューズは”タンブラーダイ”と言われる特殊な方法によって染色されます。

樽型の巨大な装置に形の出来上がった複数のシューズを同時に入れ、液体染料とともに回しながら仕上げるユニークな染色方法。特大のドラム型洗濯機に靴を何十足と入れて回す感じでイメージ頂ければと思います。

製品の内側まで色が染まり、形は角が取れてやや緩やかなフォルムに変化。

グイディ製品の醍醐味といえる、革の馴染みやシワ入れには絶対に欠かせない工程です。

タンブラーダイは樽内の製品同士がぶつかり合う染色方法のため、ヒールなどの硬い部分には小キズやスレが生まれ、金具には錆も生じます。

そうした非常に激しい工程となるため、強度の高い良質なレザーでなければ取り入れることができません。これは裏を返せば自社製品への自信の表れと受け取ることもできるでしょう。

当店には実際の染色風景を収めた希少な映像データもございます。ウェブへの掲載や転送等はNGとなっておりますので、ご興味ございましたら、店頭でぜひご覧くださいませ。

さてここからは最も注目すべき、着用による革の変化をご覧いただきます。

こちらは当店マネージャーの斉藤が8年履き込んだ同モデル。

店頭ではこの仕上がりを見てご購入を決心されるお客様も少なくありません。

深い履き皺に加え、サイドのあたりは着用者の足型に沿う広がりが見られます。

この革馴染みこそ”GUIDI”のシューズが広く愛される理由。

グイディレザーの馴染みは、足幅、甲の厚み、指の長さなど人それぞれ異なる足型の特徴にも及び、履き心地が日に日に良くなっていきます。

当店でも10年以上同じシューズをご愛用中のお客様が多数いらっしゃいますが、皆様口を揃えて語られるのがこの履きやすさ。

よく歩き、長く使い続けることで肌感覚の満足が得られ、貴方にとって無くてはならない大切な1足に仕上がります。

細かいシボもしっかり入り、新品のツルッとした表情から大きく印象が異なりますが、依然として艷やかさはしっかりキープ。

“GUIDI”の製品に使用されている革は非常に油分を多く含み、メンテナンスにも手間があまり掛かりません。

実際こちらのシューズも、数ヶ月に1回のクリームケアのみでここまでの風合いが保たれていてまだまだ現役。

より使い込んだ雰囲気を楽しみため、あえてメンテナンスをしないファンの方も多くいらっしゃいます。

新品と並べるとその違いは一目瞭然。

ここまで仕上げるにはそれなりの時間が必要にはなりますが、まずは躊躇なく履き込んでいただくことが重要です。

たまには革靴を履いて、少し長めに歩いてみてはいかがでしょうか。

ソールに関しては2回のラバー交換を経ており、現在はビブラム社のタンクソールを装着。

長く履き続けるにあたって、タイミングでこうした遊びを加えていただくのもおすすめです。

当店からのリペアは提携いただいております靴修理の名店”UNION WORKS”様が担当。

職人の皆様のシューズ愛が凄まじく、1足ずつ丁寧に向き合っていただいております。

ソール交換などをはじめ、修理のご相談等もございましたら、ぜひ当店へご相談くださいませ。

CLASSIC DERBY “992” / GUIDI

サイズ選びのご相談などもご納得いただけるよう出来る限りアドバイスさせていただきます。

ご質問などもございましたら、メールお電話でお気軽にご連絡くださいませ。

SHELTERⅡ 山崎

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